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DISEASE

精巣がん(精巣腫瘍)

こんな症状はありませんか?~進行した精巣がんの自覚症状~

  • 精巣に硬いしこりがある
  • 精巣が腫れて大きくなっている(無痛性精巣腫大)
  • おなか、首のしこりがある(リンパ節転移した場合)
  • 腰の痛み(骨転移した場合)
  • 乳房が大きくなっている(約3%の症例で女性化乳房をきたします)
  • など

精巣がんは、痛みや発熱などの症状が出にくく、かつ精巣腫瘍の進行速度が非常に早いのが特徴です。かなり進行してから発覚することも珍しくありません。さらに、精巣腫瘍は比較的短期間で転移を開始するため、転移先の症状から関連して発見されることもあります。例えば腹部のリンパ節に転移した場合は、腹部にしこりができ、腰痛や腹痛を起こします。肺転移の場合は、息切れ・咳などの呼吸障害が症状として現れてきます。

日本においては、精巣腫瘍の発症率は、10万人に1人~2人程度と稀な疾患です。小児期にも小さなピークを迎えますが、最大のピークは20-30歳台であり、これらの年代における悪性新生物の中では最も発生頻度が高いのが特徴です。

精巣がんの発症原因

精巣がんも他のがんと同様に、学術的にはまだ完全に原因は解明されていません。発生率を高める危険因子としては、遺伝子異常や家族内発生などの遺伝的素因によるものや、停留精巣、片方の精巣に腫瘍があった等が実例として知られています。他に不妊症や精液検査異常などもリスクになるといわれています。

精巣がんの検査・診断方法

【触診】
精巣は直接手で外部から触れることができる臓器のため、医師による触診で腫瘍のサイズや硬さについて確認します。

【超音波検査】
陰嚢部超音波検査は精巣腫瘍の初期診断に有用であり、腫瘍の多くは低エコー領域として検出されます。腫瘍の多くは悪性であり、カラードップラー超音波検査は充実性の悪性腫瘍における血流増加(hypervascularity)を検出することが可能です。

まず上記の二つの検査で、腫瘍の状態を確認し陰嚢水腫や、精液瘤、精巣上体炎、精巣捻転、鼡径ヘルニアなど、陰嚢内に発生する精巣癌とは別の疾患との鑑別診断を行います。そして精巣癌がやはり疑われる場合には下記のような検査を実施します。

【腫瘍マーカー検査】
精巣癌は、α-フェトプロテイン(AFP)、ヒト絨毛性ゴナドトロフィン(β-HCG)、乳酸脱水素酵素(LDH)の3つが腫瘍マーカーとして知られており、血液検査でこれらを測定することで癌の診断をすることが一般的です。ただ、腫瘍マーカーはあくまで補助的診断であって、これらが上昇しなくても、診断は確定され、治療も行われます。特徴としては、LDHはすべての組織型で上昇し得ますが、HCG-βは非セミノーマ、なかでも絨毛癌(じゅうもうがん)で高値であり、胎児性癌を含んでいるような場合にも上昇します。AFPは主に卵黄嚢腫瘍で上昇します。また、これらの数値は治療効果のビフォーアフターを確認する指標として用いられます。

【CT検査、MRI検査、PET-CT検査】
遠隔転移を把握するうえで最も有用な画像診断は造影CTです。近年のCTスキャンの精度向上は目覚ましく、胸部・腹部・骨盤部のCTスキャンは初期病期診断のための画像検査として必須です。
MRIはCT以上の情報が得られないため、造影剤が使用できない患者、または放射線被爆を拒否する患者に推奨されます。
PET-CTは初期病期診断の画像検査法として、推奨される明確なエビデンスはないとされています。

精巣がんの治療方法

転移の有無に関係なく、まず真っ先に行われるのが手術的治療法である、高位精巣摘除術です。精巣および精索(精巣動静脈と精管)を一塊にして摘出する手術の事です。これにより、病理学的な組織診断を行うことが重要で、セミノーマと非セミノーマに大別します。
診断が確定したのちには直ちに病期診断を行い、治療方針を決定します。化学療法や放射線照射、残存腫瘍に対する外科的摘出術を組み合わせることにより70-80%で完治が期待できるとされています。
 また、精巣腫瘍は20-30歳台にピークを迎える比較的若い世代に多い疾患であるため、挙児希望のある精巣腫瘍患者で、両側精巣腫瘍の場合や、精巣摘除後化学療法もしくは放射線照射(症例によっては後腹膜リンパ節郭清術も)を行う場合には、合併症として妊孕性の低下に関するインフォームドコンセントを行い、精子凍結保存について説明することが推奨されています。



■当院へのご受診を検討されている方へ

当院は精巣がんの可能性も考えた多角的な診察・検査を行っています。万が一の精巣がんの可能性を視野に入れながらの診察は泌尿器科専門医にしかできません。

必要であれば、すぐに適切な病院へご紹介ができるように、検査・治療にベストを尽くしております。気になる症状・不安な違和感があればまずは当院で一度検査をしてみることをおススメいたします!

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文責
横浜市港北区綱島
すがわら泌尿器科・内科クリニック
院長:菅原 草