頻尿、尿意切迫感を主訴に来院された50歳台の男性患者さん。尿路エコー上膀胱内に嚢状腫瘤を認めており、CTU、膀胱鏡にて左尿管瘤と診断されました。 頻尿、尿意切迫感を主訴に来院された50歳台の男性患者さん。尿路エコー上膀胱内に嚢状腫瘤を認めており、CTU、膀胱鏡にて左尿管瘤と診断されました。

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尿管瘤

1年前から発症した日中の頻尿と尿意切迫感を主訴に当院を受診された50代の男性。年齢から前立腺肥大症や過活動膀胱などが鑑別診断の上位に挙がってきます。機能的な原因以外に器質的な要因を除外するために、DRE(直腸診)を含めた身体の理学的所見を取った上でエコー検査を行いました。


【初診時膀胱エコー:左尿管口付近に嚢胞性腫瘤が認められます。】

両側腎に水腎症等異常所見なし。次に膀胱内の観察をしたところ、膀胱底左側に嚢状の腫瘤形成が認められました。中身はエコー上低エコー領域ですので、水分と考えられます。充実性の腫瘍とは明らかに違います。
たまに見かける尿管瘤であることは察しがつきましたが、上部尿路(腎臓から尿管)の精査と、実際に尿管瘤と確定診断をするために膀胱鏡を施行する事としました。


【CTウログラフィー:上部尿路に水腎症、水尿管は認められず。】


【CTウログラフィー上で認められる左尿管瘤:上層にエア、下層に尿が二層に分かれています。】

幸いCTU(CTウログラフィー)上ではエコー所見と同様水腎症は認められず。また、膀胱鏡では、左尿管口に一致して嚢状の腫瘤形成を認めており、風船のように大きくなったり小さくなったりしていました。


【左尿管瘤膀胱鏡所見:嚢状に膨らんでいます。正常な右尿管口と比較してみてください。】

以前、尿管瘤にはまり込んだ尿管結石の症例を経験したことがありましたが、その際には尿管瘤そのものを切開し、結石を膀胱内に放出してレーザーで破砕しました。
今回は特に尿路の通過障害や膀胱尿管逆流現象をきたして水腎症を呈したりはしていないので、定期的に尿路エコーを施行し、経過観察をしております。
尿管瘤とは、腎臓と膀胱をつなぐ尿管の末端がこぶの様に膨らんだ状態になる先天奇形です。女児に多く見られるとの報告があります。ほかに尿路感染を引き起こしやすいとも言われておりますが、本症例ではそのようなトラブルは今の所発症しておりません。
今回は、泌尿器科領域のめずらしい症例をご報告いたいました。へー、こんなのもあるんだー、とちょっと気に留めておいていただき、泌尿器科学って結構いろんな症例があっておもしろいかも?と興味を持っていただけるとうれしいです。